縮毛矯正は、とても素晴らしいメニューですが、失敗されると悲惨な目に合うことも・・・。
失敗しない為に、縮毛矯正の真実と美容師側のホンネをお伝えします。
知識を得て、あなたに合った美容師に出会うために。

2010年5月

アイロンを使った縮毛矯正

そのおおまかな作業工程は、
薬剤塗布→自然放置(又は加温)→流す→乾かす→アイロン(160度~220度)→2剤塗布→流す
基本的には以上です。

以上の工程は同じでも、
自然な感じに縮毛矯正をしたい場合、
① 1剤の薬剤を髪に対して弱く設定し、還元を完全に行わないで流す。
その後の工程は同じも、不完全な還元のため髪は真っ直ぐにはなりません。
② 1剤ではしっかり還元させるのですが、アイロンの熱の温度を低めに設定します。
これも、熱不足の為、真っ直ぐにはなりません。
③ 完全に還元させ、アイロンの温度もしっかり設定しますが、アイロンする時にデザインに合わせてしっかり丸めます。
そのアールが効き、髪は軽く丸まりますので自然な感じになります。
④ 全ての髪に薬剤を付けず、顔周りや、裾の方などクセの強い部分と、ヘアカラーでいうウィービングのように、縮毛矯正する髪を間引きその部分だけ薬剤をつけます。
縮毛矯正しない髪と、縮毛矯正した髪が混ざりますので、かなり自然な仕上がりです。

以前の縮毛矯正剤では、完全軟化(還完全元)が必須でしたが、
今のカーリングローションを使った還元では、
必ずしも完全軟化しなくても、髪は伸びてくれます。
薬剤の特徴が完全に違うんですね。
なので、全く同じ処理をしても、薬剤によって仕上がりの質感は違います。
自然にも出来ますし、真っ直ぐにも出来ます。

アイロンの熱で髪は炭素化する?
一般的には、アイロン(180度~220度)を使う縮毛矯正の施術方法は、
熱によって髪が炭素化してしまう為、
縮毛矯正をした髪にはパーマをかけることが出来ない。
と言われていました。

その説明は、
例えば、玉子焼きにしたタマゴを目玉焼きに出来ないでしょ?
髪も同じたんぱく質なので、高熱のアイロンで熱処理をしたストレートの髪を、
ウェーブには出来ないんですよ。
と言うことのようです。
なるほど・・・分かったような???

しかし、現実はそんな簡単な事では無いように思えます。
実際には、縮毛矯正をされた方にパーマをあてる事も出来る事が多いです。
さらに言うと、
普段、毛先を巻いたり、ストレートアイロンを使っていてもパーマはあたります。
先ほどの説明では、毎日アイロンしていれば、かなり炭素化しているハズですからね。
そうなると先ほどの説明は???
炭素化だけでは理屈が合いません。
もちろん、完全否定はしません(たんぱく質に必要以上の熱を加えると焦げて当たり前)が、
必ずしも アイロン=炭素化 では無いと思います。
それを、すべて知っているかのように
「・・・だから、髪はたんぱく質で出来ているでしょ?・・・例えばタマゴは・・・」
という説明は止めて頂きたい。
たんぱく質の事も本当はあまり分かっていないのでは?
私は、今の科学では、大して髪のことも分かっていないように思います。
イヤイヤ、実は以前
「縮毛矯正をした髪にパーマをあてたいのですが、その方法はありませんか?」
と、メーカーに問い合わせしたところ、
先ほどのような返事が返ってきました。
「あなたもプロならそんな事ぐらい分かるでしょ!」
と、言わんばかりにね。
もちろん、それらの事を理解した上での問い合わせだったのですが・・・。
かなり嫌な思いをした記憶があります。
当時は、システアミンなどのカーリングローションは、まだありませんでしたが、
見て来たかのような解説をする人たちを見ると、反論したくなります。
「見て来たんか!」ってね。
そうじゃなかったら、
「・・・だそうです。」って言って欲しいものです。

その後化粧品類の薬剤が登場して、その薬剤で縮毛矯正した場合や、
カーリングローションでパーマをかけた場合、
あたることが多いんですよ。
・だ・か・ら・・・言い切るな!って思いません?
まぁ、必ず綺麗にあたるとは言いませんが、いかに髪を傷めずに施術するかで、
縮毛矯正もパーマスタイルも楽しめます。
私が言う「あたる」は、綺麗にあたるという事です。

個人的な感情も入ってしまいましたが(;^_^A
以上の理由から、【アイロン=炭素化】という構図は??としておきますね。
その上で解説していきます。



色んな方法がありますが、
乾かし方が悪かったり、
テンションのかけ方が正しくなかったら。。。
これらのどれが一つ間違えば、仕上がりは悪くなります。

逆に言うと、
それらすべてがクリアしないと、上手く縮毛矯正が出来ないという事です。
言い出すとキリがありませんが、パーフェクトを目指さないと結果は出ませんので担当する美容師によって差が出ます。

要するに、どんなやり方でやったかより、どんなスキルの人がやったか?が重要です。

アイロンを使わない縮毛矯正

薬剤塗布→自然放置or加温→流す→乾かす(この時ストレートブラシなどを使ってしっかりテンションをかけ、ドライヤーの熱を利用してクセを伸ばします)→2剤塗布→流す

アイロンを使わない代わりに、乾かす時にコツが必要です。
かなりのテンション(物理的に引っ張る)をかけて、ドライヤーの熱を髪にかけます。
ドライヤーの熱の温度は110度~130度くらいでしょうか。
アイロンに比べると低めですね。
しかし、アイロンとは違いテンションをかけます。
このテンションをかけて、スライスを薄く取り、順番に乾かしていく作業が
お客様にとってかなりの負担です。
首に負担がかからないように、角度に注意してテンションをかけているとは思いますが、
それでも負担で気持ちの良いものではありません。
髪が濡れているときは、物理的な負荷をかけてはいけません。
即ダメージに直結しているからです。
乾けば強いのですが、濡れているとめちゃくちゃ弱い。
水でもそうなのに、薬剤処理をして還元している髪ですから、
濡れているときは出来るだけ負荷をかけない方が良いと思います。
そのあたりが微妙ですね。

デザイン的には、
アイロンを使わないため、より自然な感じのストレートになるらしい。
「らしい」という表現を使ったのは、私自身が「そうだ」と思っていないからです。
アイロンで熱をあてない=傷めない
アイロンを使わない=自然
という構図は必ずしもそうではありません。
アイロンを使わなくても、いためる要素は多分にあります。
アイロンを使っても自然に仕上がる事は出来ます。
「アイロン=傷む」&「アイロン=不自然」という前提は、
その縮毛矯正システムを提供しているメーカーや美容室の謳い文句でしか無い。
と私は解釈しています。


トリートメント的な縮毛矯正

薬剤塗布→自然放置or加温→流す→ドライング→(軽くアイロン?)2剤塗布→流す

医薬部外品

従来からある、いわゆるパーマ液です。
特徴は、ツーンとしたキツイ臭いがあり、薬剤のパワーが強いものが多いです。

チオグリコール酸アンモニウム
アルカリ性で還元力が強い。
揮発性が高いため刺激臭が強い。
髪の残留アルカリ度は揮発するために低い。
古くから使われている還元剤で、今も頻繁に使われています。
いわゆる、「パーマ液の臭い」の元はコレが多かったのでは?
髪へのダメージは高いと言えます。
使い方次第なんですけどね。

チオグリコール酸モノエタノールアミン
アルカリ性で還元力は強い。
チオグリコール酸アンモニウムの揮発性を弱くしたタイプで、刺激臭は少ない。
その分、揮発せず髪に残留アルカリとして残ってしまい、結果的に髪を傷める事に。
髪へのダメージは高いです。
これなら、チオグリコール酸アンモニウムの方を使ったほうが良さそうですね。
施術中のニオイさえ我慢すれば。。。

システィン類(L-システィン、DLシスティン、アセチルシスティンなど)
還元力は弱い。
刺激臭は少ない。
毛髪への損傷も低め。
柔らかい質感。
アルカリ度は高い。
髪へのダメージは弱いが、
伸びが弱く、単品で使うことはほとんど無く、
チオグリコール酸などのパーマ剤とブレンドされた商品がほとんど。
アルカリ剤にモノエタノールアミンを使ったものが多く、
やはり残留するようですね。

最近は、チオグリコール酸を使わず、システィンと酵素でしっかりとしたパーマをかけることの出来るパーマ剤が出来ていますよ。
縮毛矯正用はまだのようですが。

化粧品類

規制緩和で、最近多くなったカーリング剤、カーリングローションと言われるものです。
パーマ剤と分けるために、パーマという言葉を使いません。
分類上、シャンプー、トリートメント、仕上げ剤、化粧品と同じ分類です。
とは言っても、
縮毛矯正で使う薬剤ですので、
決して肌や髪にとって良いと言う事ではありません。
場合によってはアレルギーを引き起こす場合もありますので、
使用するに当たっては注意が必要です。

医薬品の場合、髪を膨潤させる為に、アルカリ剤が使われている場合が多くありました。
それは、髪のたんぱく質の結合を切り、再結合する事でパーマをあてます。
しかし、化粧品類のカーリングローションでは、ほとんどが弱酸性~中性の領域です。
と言うことは、髪を膨潤させません。
その分、髪を傷める事が少ないのですが、
髪が膨潤しなくても、髪の内部に作用できるほど小さいと言えます。
それだけ肌にも浸透する可能性が高くなります。
通常、縮毛矯正の作業では、地肌に薬剤を付ける事はありませんので、
お客様より、むしろ常に薬剤と接する美容師側に注意が必要です。

システアミン
弱酸性~微アルカリ性でありながら、パワーが強い。
髪に負荷をかけないので、髪のダメージが少ない。
残留するので、臭いがキツイ。
特に濡れるとかなりイヤなニオイがします。
コレが最大の欠点ですねー。
傷めないので良いのですが。。。

サルファイト(亜硫酸)
強アルカリ性のものが多い。
還元力が弱い。
髪への負担が少ない。
髪が柔らかくソフトな質感になる。
パワーが弱いので、単体で使うことは少ないです。
トリートメントにブレンドして、質感改良に使うこともあります。
しかし、アルカリ度が高いので、傷んだ髪に施すときは注意が必要です。
安易に使うとアルカリに負けて傷んだ所がチジれてしまう事もあります。

チオグリセリン
中性の還元剤。
いろんな意味で中間的な薬剤。
システアミンのような残臭はあまりありません。

ラクトンチオール(スピエラ)
新還元剤でスピエラと名付けられています。
酸性領域でありながら、パワーはシスティン類と同等です。
毛髪を膨潤させず還元するために傷みが少ない。
手触りが良い。
残臭するので、残留していつんでしょうね。
システアミンに比べ、残臭は少ないと思いますが、
施術中の臭いはシステアミン以上で、かなりクサイです。

それぞれ、特徴があり、コレが良いというのが無いんです。
良いところもあるが、欠点もある。
なので、メーカーはこれらの薬剤をブレンドして製品化しています。
このサジ加減ひとつで、全く違う薬剤になります。

私の考えでは、
美容師も薬剤の特徴を理解し、
現場で使い分ける事で色んな髪質やダメージに対応、
薬剤の利点を最大限に引き出す事が出来る事で
多くの人に喜んでもらえるのでは?と思っています。


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